紳士的?その言葉、似合いません!
◇だからと言ってこれはないでしょ



だからと言ってこれはないでしょ?!と心の底から叫びたい。魂の叫びをあげたい。今なら恥も外聞も投げ捨てて会社の中心で叫べる気がする。


いやまぁ、ね?正確に言うとなる可能性はあったけどそれは微々たるものだと思って可能性に入れていなかったというか。


わたしの希望的に入っていて欲しくなかったというか。つまりはあれである。ないと思って油断していたらいつの間にか落とし穴の中に真っ逆さまだったのだ。



「わたしの馬鹿っ……」



こんなに自分を殴りたいと思ったのは生まれて初めてだろうってぐらいに今のわたしは後悔真っ只中である。


元彼氏と別れて半年、都築さんに纏わり付かれて半年。この半年間、男と接する機会なんて都築さんしかなかった。


そしてわたしの手の中にある妊娠検査薬。見事に線が浮き出ている。陽性。つまりは妊娠しているということで。



「(うわあぁぁあっ、どうしよう…っ)」



いろいろ言いたいことはある。けどとりあえずここは会社のトイレで騒がしくするわけにはいかない。


というか思いつきとは言えこんな大切なことを会社で確認するとか自分は何を考えてたんだ!そりゃまぁまさか本当に妊娠しているとは思わなかったからなんですけどね?!


手の中にある検査薬をここに捨てるわけにもいかず、仕方なくビニールの袋に入れてこっそりとポーチの中に入れる。あぁ、こんな手のひらサイズのものがどうしようもなく重く感じる…




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