桐谷高校殺人投票
殺人投票
「静かにしろぉ!!」


先生の怒鳴り声が聞こえてきて、生徒たちの声は水をうったように静かになった。


微かな鳴き声だけが残る。


「今日は特別授業だ」


先生はそう言うと、教卓の下から木箱を取り出した。


「これからお前らには殺人投票を行ってもらぁう! 誰が、誰を殺すのか! それを書いてこの箱に投票してもらう!!」


殺人投票……!?


あたしは目を見開いて先生を見た。


この異常事態に殺人投票なんて言われて、もう頭の中は真っ白だ。


けれど、ここで先生の言う事を聞かなければ、きっとネネのようになるのだろう。


あたしは目の端で廊下の血を見て、ゴクリと唾を飲みこんだ。


教室に入らなかっただけで死んだ。
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