探偵喫茶へようこそ

3



喫茶店に戻る途中、知由は車の中で眠ってしまった。


そのため、雪兎が知由を抱えて店に入り、ソファーに寝かした。



「天才で可愛いなんて、ずるいなあ、ラビットは」



レジーナは知由の寝顔を覗く。



「あの、レジーナさん。そのラビットっていうの、やめてあげてください。もうラビットと名乗っていないので」



雪兎はそっと、知由に毛布をかける。



「でも私、ラビットの本名知らないから……」


「三崎知由ですよ」



雪兎は迷うことなく、あっさりと教えた。



一弥、海、滋はいいのかと疑問に思ったが、誰も口にしなかった。



「ふーん。みんなはなんて呼んでるの?」


「俺と海は、三崎だよな」


「僕はみさきちゃんだよー」



カウンターで勝手にコーヒーを飲んでいた、一弥と滋が答える。



「あなたは?」



レジーナは滋の隣に座っている夏芽のほうを見る。



「え、私? 私は知由ちゃん、かな」


「じゃあ……三崎でいっか。ところで、ここは?」



レジーナは店内を見渡す。

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