ピーターパンシンドローム

『籠』

止められないから
断ち切って
解き放って
それからまた捕まえる

繋ぐんじゃなくて縛るんだって
僕自身
辟易するような呟きが洩れた

ちらちらと揺れ落ちる
氷点下2度の情熱
鉛色の雲みたいに
どこまでも不穏な願望

絶望を知った君の心を
残さず全て食べてしまって
痩せた背中を押してあげよう

自分の中身は捨ててしまって
君の事だけ

そうして僕は籠になる

君が此処へ落ちてくるのを
ひたすら待ってる籠になる

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