宮廷は楽団の奏でる妖艶な音色に包まれていた。

豪奢な衣装を身に纏った男女がくるくるとその身を躍らせている。
目もとには彫金の仮面。
あえて控えめに灯された天井のシャンデリアは、お互いの素性を隠すため。

秘めごとは男女の情熱を燃え上がらせ、泡沫の恋に花を咲かせる。

今宵は、月に一度の仮面舞踏会の夜。
束の間の快楽に身を委ね、溺れることを許された日だ。



もう一度彼に会いたくて、セシルは再び仮面を手に取った。
もしも神様がふたりの関係を祝福してくださるなら、きっと会えるに違いない。

二度目の舞踏会の夜。
セシルは人々の熱気で賑わう会場を抜け出し、彼のもとへと足を急がせた。

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