過保護なドクターととろ甘同居
Last Chapter
コポコポと沸き出てくるエスプレッソを横目に、チョコソースとココアパウダーを二つのカップに入れていく。
少しパウダーを多めに入れて、湯気の上がるエスプレッソを注ぎ込んだ。
ダマがなめらかに消えるように丁寧に混ぜていると、開け放たれたキッチンの扉から白衣を翻して先生が中へと入ってきた。
「あっ、お疲れ様です」
今はちょうど、お昼休みに入った休憩時間。
今日も先生は朝から多忙で、朝一番でお産があり、その後は休む間もなく外来の診察に入っていた。
お昼休みに入る少し前に私の元にやってくると、「あれが飲みたい」と耳打ちでカフェモカのリクエストをされた。
「悪いな、休憩時間に」
やってきた先生は、泡立つミルクが入るビーカーを手にした私を、背後からそっと抱き締める。
側頭部へと顔を寄せると、しみじみと「あー、癒される」と呟いた。