過保護なドクターととろ甘同居
Chapter9
その日の夕方――。
今さっきまで先生と共に滝瀬さんの赤ちゃんのお世話をして、日曜日の休日は過ぎていった。
滝瀬さんが赤ちゃんのお迎えにきて、少し前に自分の部屋へと戻ってきたばかりだ。
産婦人科の受付けに勤め始めて、毎日のように赤ちゃんは目にしているけど、直接お世話をするのは初めてのことだった。
先生に経験しておけばと言われて、初めて赤ちゃんを抱いた。
小さくて温かくて柔らかくて、初めての抱き心地は何とも言えなかった。
人の子でもこんなに可愛いと思えるのに、自分のお腹から産まれた子なら、どんなに愛しいだろうと考えてしまった。
想像だけではその感動は全くの未知だ。
だけど、今日赤ちゃんと触れ合ってみて、いつか自分が産んだ子をこの手に抱きたいと思わずにはいられなかった。