昼下がりの情事(よしなしごと)
Chapter 4 *和哉*

ウェイトレスがアイスコーヒーをそれぞれの前に置いた。

「……美咲は……元気にしてるのかな?」

天野は小さなミルクピッチャーへ手を伸ばした。

「ええ、体調に気をつけながら、派遣で働いてます」

和哉は自分側にあったミルクピッチャーを天野の方へスッと滑らせた。

……別に働かなくてもいいって言ってんのに。

バレエのレッスン代を自分で働いて出す、って言って聞かないのだ。

派遣先の男に見初められでもしたら、どうするんだ⁉︎

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