あなたに追いつきたくて
6時間目。

「はい、今から自分の進路についての作文を書いてください!」

担任がそう言ったのは5分ほど前。


「綾花、悩んでるの?」

そう聞いてきたのは隣の席の歩斗

「え?あー、うん。進路、決めてなくて…笑」

「俺も決まってないよ笑」

「でも、歩斗は頭良いし、高校も選び放題じゃん」

「そんなことないよ?綾花だって頭悪くないじゃん。夢とかないの?」


「夢?ないかなぁ~でも、さっき杉田先生に教員は?っめ進められてさ、それもいいかな~って…」

「教員?いいじゃん!綾花絶対向いてるよ!」


「ほんと?ありがとう!」

「あ、今日一緒に帰ろうよ」

「え?いいけど…?」

「じゃー、よろしくな!」


歩斗とは2年から同じクラスで仲が良いけど…めっちゃモテるから正直女子が怖い。


今だって視線が痛い…


HRが終わって放課後。

「飯田くん、ちょっといいかなっ?//」

早速呼び出されている歩斗。

「えーっと、」

私の方に目くばせをしてくる歩斗

口パクで“待ってるよ”というと“わりっ”と手を挙げて教室を出て行った。

だんだん人がいなくなる教室。

気がつくと1人になっていた私はさっき書き終わらなかった作文を取り出す。


静かな教室に私のシャーペンを走らせる音だけが響く。

廊下から足音が聞こえる。

もしかして歩斗かな?と思い廊下を見ていると先生と目が合う。

「あれ、白岡さんまだ残ってたの?」

「はい、友達待ってて…」

そう答えると段々と近づいてくる先生。

私はとっさに作文を隠した

「何かいてたの?」

「…作文です。進路の、」

「あぁ、6時間目のやつか。みしてよ笑」


「えぇ、」

「いいじゃん!この間の社会の人権作文とか選ばれてたし、読書感想文も…」

それとこれとは違う気もするけど私はしぶしぶ作文を渡した。

先生は私の前の席に後ろ向きに座る。

作文を読み終えた先生は「…本当に先生になってくれるの?いいの?」

「はい。でも、ちゃんと、自分の意志です。」


「そっかぁ~。そーいえば、誰待ってるの?」

「歩斗です。なんか今告白されてるっぽくて笑」

「てっきり女の子と帰るんだとおもってた。飯田くんか、モテるよね~でも、いいの?」

「なにがですか?」

「飯田くんのこと好きなんじゃないの?」

「えっ!!なにそれ、違いますよ笑
ただの友達です。今日は誘われたから帰るだけだし…」

「そーなんだ笑あっ」

先生が何かに気づいたように扉の方を向く。

するといつのまにいたのか歩斗がいた。


「…綾花ごめんまたせたね。帰ろう?」

「大丈夫だよ!先生、さようなら~」


「さようなら」

そう言って教室を後にした

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