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 ふっと意識が舞い戻り、自分が温かな布団の中にいると気づく。

 まだ重い気がする瞼を上げることをせずに、いつもよりもふかふかとした寝心地の布団という夢の世界へと引き返そうと試みた。


「お前、いい加減にしろ」


 引き上げた掛け布団の向こう側から、とてつもなく不機嫌な声が私を現実の世界へと連れ戻そうとしてくる。


 やだ、誰よ……もう少し寝かせ……


 深みのあるその声の主に覚えがあり、条件反射で頭がぱっと覚醒する。

 同時に瞼を開いた視界は、当然布団に潜り込んでいるから真っ暗だ。

 だけど、恐る恐る外界への扉を押し開くように、掛け布団からずりずりと顔を覗かせた。


「Good morning.」


 ドスのきいた滑らかな英語で目覚めの挨拶をしてくれるのは、切れ長の瞳をさらに細めた橘社長。

 明るくなっていた布団の外の世界で、肘をつき頭を抱えた端整な顔が間近に迫り、ばっちりと目があう。

 起きがけに盛大な音を立てて飛び跳ねる心臓に息が止まり、一瞬で顔が青ざめた。