契約の彼女と彼の事情

33話

新婚旅行から、日本に戻り、
修一郎さんと、車で夕飯の買い物にでかけている時だった。

「不動屋さんの収入ってどれぐらいなの?」

「月によって差はあるけど、手取りで30万から50万ぐらいかな」

「そうなんだ」

「どうして?」

「お屋敷からして、すっごいお金持ならどうしようと思ってたけど、
 普通なのね」

するとうーんと修一郎さんが言っている。

「車も高級車って感じじゃないし、安心した」

「一応、この車1000万以上するよ?」

「え?だって、ベンツとかフェラーリじゃないわよね」

「この車、ランボルギーニって言うんだ」

「ランボ・・・」

聞いた事もない。

「僕の家は結構土地を持っていて、不動産屋より
 そちらの収入の方がずっと多いんだよ」

しばらく考える。

「じゃあ、今日のお魚、お刺身にしてもいい?」

ぷっと修一郎さんが笑っている。

「いいよ、奥さん」
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