幼なじみの溺愛が危険すぎる。 〜中学時代〜
中学3年生になりました!
放課後、グラウンドに行くと新入部員に囲まれた。

「あ、如月キャプテンだ !」


「いつも一緒に学校に来てる綺麗な人って、キャプテンの彼女さんですか?」


「俺、剣道部のりり花先輩にすごく憧れてて!

 あんなに可愛い人に会ったの初めてですっ!
 一度話してみたいなーってずっと思ってて!」


「彼女さん、空手習ってるって本当ですか」


にっこりと笑って『おい、お前ら、こっちに集まれ』と声をかけて、
新入部員を集合させて円陣を組ませた。


その真ん中で小さな声でささやく。


「お前ら、りり花に近づいたら、殺すから」


「………… 」


「返事は?」


「ウ、ウッス……」


怯えた声で新入部員が声をそろえて応える。


「二度とサッカーなんてできないように足の骨、ボッキボキに折ってやるからな」


「ウ、ウッス……」



「あと、りり花を名前で呼ぶのも禁止な。わかったか?」


「……ウッス」


呆然としている新入生をその場に残して、

『アップ始めるから集合!』とグラウンドに散らばっているメンバーに声をかけた。



練習の後半、チームをふたつに分けてゲームを始めた。


しばらくすると、
2年のフォワードの竹内に強く押されて転倒した。


転んだときに、砂が目に入ったのか左目が痛む。


最近、竹内のプレーが俺に対して特別荒い気がする。


あいつ、なんで俺にばかり……?


そう思って、竹内の視線を追うと、
その視線の先にいるのはりり花だった。


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