幼なじみの溺愛が危険すぎる。 〜中学時代〜
〜春〜
教科ごとに先生が違ったり、

部活があったり、

先輩が厳しかったりと


小学生の頃とは違うことだらけの中学校生活に慣れないまま、

あっという間に週末がやってきた。



「うーん!久しぶりの朝寝坊、最高だねっ! 」


両手をのばして大きなあくびをすると、

玲音が呆れたようにショートパンツ姿の私を指差した。



「りりちゃん、そのカッコ……」



「玲音こそ、その寝ぐせ! 」



そう言って鳥の巣みたいになっている玲音の頭をぐしゃぐしゃとなでると、

玲音が片目をつぶって気持ちよさそうに笑う。



「それじゃ、こっちもお返しっ!」


そう言って、やり返してきた玲音が
私の頭をぐしゃぐしゃにするけれど…



「あー…、りりちゃんの髪、
サラサラでぐしゃぐしゃにならない…」


と、悔しそうな顔をしている。



「玲音の髪の毛は柔らかいから、
簡単にぐしゃぐしゃにできるっ! 」


そう言って、玲音の頭を撫で回して

ベッドのなかで玲音とじゃれ合っていると、

玲音がぱっと顔をあげた。



「そういえば、おばさんは? 」



「もう会社行っちゃったと思うよ。

そんなことより寝ぐせなおして、

早く着替えて病院行こっ!  」



ベッドのなかから玲音を引っ張りだすと
すぐに朝ごはんを食べにダイニングに向かった。


玲音の気が変わらないうちに

病院に強制連行しなきゃ!


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