クールな部長は溺愛同居人!?
心の声

お昼になって
真依子ちゃんといつもの席でいつものランチ。

「新堂係長に『新井さんも行くんでしょう』みたいな事を言われたよ」
ブツブツと言うと
真依子ちゃんは明るく「ごめーん」って悪びれもなく笑った。

「つい言っちゃった。でも新堂係長驚いてたよ、未亜に興味あるかもね」

「なっ……ないよ!」
今朝の出来事を思い出して強く返事をする。
自分で強く否定しないと
本気にしちゃうから

あんな素敵な人に『僕は本気だよ』なんて……ねぇ……夢だよね。

「あってもおススメできないなー」
真依子ちゃんはサラダを突きながら口をゆがませる。

「相楽課長の方がいいよ」

「それ絶対違うから。どんだけドSだと思う?」

会社でも家でもドSで手汗まみれだよ私。
優しい新堂係長は私の憧れの人。

「でも相楽課長はああ見えて誠実だよ。仕事に責任感あるし、あんなにモテるのに浮ついてないもん。うちの係長は仕事もできるよ。そしてすんごく優しいし気づかいできるしマメだし、本当にいい人で職場の上司としては大好きだけど……男性としては危ない香りがする」

今も昔も彼氏が途切れる事はなく
洞察力に優れた賢い真依子ちゃんの言葉は説得力がある。

「危ない新堂係長とは関わらず、来月の合コンに一緒に賭けようよ」
真依子ちゃんは「上手くまとめたな私」って、満足した顔を見せるけど

危険なのかな……新堂係長。
そして課長の方が誠実?

誠実な男がキスする?
私の合コンを阻止する?

自分の目と他人の目って
違うのかなぁ。






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