「オリビア、疲れてない? ごめんね。これがすめば、少し休憩できるから」


これからふたりは、前庭に面したバルコニーに出て、国民に結婚の報告をするのだ。それは新しい妃のお披露目の意味合いが強い。

おそらくオリビアは早朝から着付けなどで、レオナルドよりも忙しくしていたことだろう。

彼としては休ませてあげたいところだが、これが終わるまでは椅子に座らせてもあげられないのだ。


心配するレオナルドに、オリビアは首を横に振った。


「一生に一度の貴重な日ですもの。疲労感さえも喜んで、楽しもうと思っております。どうぞご心配なく」


ニッコリと愛らしい微笑みを向けられて、レオナルドは胸に愛しさが込み上げた。

今すぐにその唇を奪い、まだ無垢な体を早く汚してしまいたいという欲望が湧き上がる。

しかし、後ろには国王と王妃、近侍や護衛がぞろぞろとついてくるので、今は我慢である。


男の情欲をぐっとこらえた彼は、オリビアをエスコートしながら、バルコニーの扉の前に立った。

「いいよ」と彼が言うと、使用人ふたりの手によって、アーチ型の両開きの扉が開かれる。

すると待ちかねていた群衆の、大歓声が轟いた。

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