四月の初めに心臓外科医局に迎えられた三人の研修医が、今、初めて園田教授が執刀医を務めるオペの見学に入っている。


ここは、附属病院のオペ室中二階にある見学ルーム。
初期研修医指導プログラムに組み込まれたオペ見学で、大きな窓ガラスから眼下のオペ室を見下ろしながら、木山先生がみんなに解説している。


「本日のオペは、大動脈弁狭窄症の患者に対する弁置換術です。最近では、MICSと呼ばれる小切開術も行われますが、今回は胸骨正中切開法が取られています」


木山先生が研修医を前に説明していると、大きな窓ガラスが大学講義室のホワイトボードみたいだ。
いや、映像を映し出すプロジェクタースクリーンのよう。
今まさに、彼の講義を受けているような気分になる。


指導プログラムのアシスタントとして同行を求められ、見学ルームに入った私も、ファイルを胸に抱えて、研修医たちの後ろからそっとオペ室を覗き込んだ。


私の位置からだと、執刀医である園田教授と第一助手を務める祐を、斜め横から見るような視界になる。
この角度だと、見学ルームの窓に背を向けている祐の横顔も確認できる。


今、祐は教授と同じブルーのガウンに身を包み、同色のキャップですっきりと髪を覆っている。
大きなマスクに、目元にはルーペを装着している。