Miss you・・・
気が気じゃないけど
「おかーさん、くるしいっ!」
「ごめん。もうちょっとだけ」

私は明をゆるく抱きしめると、頭をよしよしとなでた。

この子には心配かけっぱなしだ。
きっと私が夜のお仕事に行ってる間、明はひとりで寂しい思いをしていたはずなのに、文句一つ言わないし、泣き言も言わない。

頼りない母親には、頼もしい子どもが授かるって言うけど、うちはその典型だ。
もしかしたら蘇我さんの言うとおり、夜の仕事はするべきじゃなかったのかもしれない。
でも仕事を増やさなければ、生活するお金が足りない。
これからどうしよう・・・。

明を離し、はぁとため息をついた私のところに、看護師さんが来た。
どうやら点滴が終わったらしい。
この様子だったら入院する必要はないけど、空きベッドはあるから1日入院しますかとお医者さんに言われて、私は即、帰りますと答えた。

1泊でも入院したら、医療費が・・・。
これ以上余計な出費はできない。
自分の体を通して、「体が資本」というのを実感した。
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