復讐劇は苦い恋の味
第六話『私と彼の関係』 
「では会計処理がおわりましたら、こちらの番号が出ますので会計窓口でご精算をお願いします。……次の方、どうぞ」

木曜日の十一時前。会計処理を行う窓口には、長い行列ができていた。

足の怪我は湿布を貼って一日無理せず休んでいたら、痛みは治まり、今では普通に歩けるようになった。

普通に仕事をすることができている。


病院は週明けの月曜日が一番混雑すると思われがちだけれど、私が勤める病院は一週間の中で木曜日が一番受診患者が多い。

それというのも、木曜日は外部から専門医が派遣されて診療を行っている診療科が多いから。

診察までに散々待たされて、会計でまた待たされるとなると苛々する患者さんも少なくない。

手早く丁寧に対応していった。



「あー、疲れた。木曜日って一番出勤したくない曜日だよね」

「たしかに」

この日は遅い休憩で、先に休憩に入っていた同僚が戻ってきてキリがいいところで私も休憩に入った。

時刻はそろそろ十三時を迎えようとしている。この時間になると会計窓口も落ち着いてくる。
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