ロッカールーム
モヤの正体
廊下を進んでいくと一旦外へ出てしまった。


休憩時間の終わりが気になったけれど、モヤが消えてしまうかもしれないと思い、あたしたちは更に追いかけた。


外へ出るとそのモヤは旧校舎へと吸い込まれて行くのが見えた。


「まさか……」


サクが旧校舎の入り口の前で立ちどまり、そう呟いた。


あたしは頷き再び歩き出した。


こんな明るい時間に旧校舎へ入るのは初めてのことだった。


昼間はここでサボっている生徒もいるらしく、タチが悪そうなのであまり近づかないのだ。


モヤを追いかけて旧校舎へ入り、2階へと上がる。


そこで見たのは想像通りに光景だった。


モヤは『ロッカールーム』に吸い込まれているのだ。


ドアを開けて確認してみると、いつも使っている木製のロッカーの中にどんどん入って行くのがわかった。


「死者の力になってるんだ」


サクが言う。


「きっとそうだね」
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