艶恋オフィス クールな室長に求愛されてます

報告：これからも駒宮室長の部下でいます

居酒屋から、どうやって帰ったのかなんてよく覚えていない。

だけど、唇には未だに鮮明に駒宮室長の感触が残っている。

熱に浮かされたような気分のまま、鉛をぶら下げたように重たい足取りでノロノロと家に帰り着いた私は、お風呂に入る。

湯船から半分だけ顔を出して、ぼんやりとしているとようやく乱された心が落ち着き始めた。


お風呂上りに、ふとスマホを見ると、メールの着信を告げる画面が表示されている。

相手はもちろん、郁ちゃんだ。

『まどかさん、最近どうですか？』


「どう？って、聞かれても……」

郁ちゃんのメールに思わずポロリと零れてしまう。

駒宮室長とのことを思い出すと、胸の奥からほろ苦い気持ちが押し寄せてくる。