【完】こちら王宮学園生徒会執行部

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ふわふわ、ゆらゆら。

まるで現実じゃないような感覚で、足元がおぼつかない。その不安定さが怖くなってまぶたを持ち上げれば、天井が視界に入った。



「………」



……もう朝なのか。

なんだか眠り足りないなと思いながら、毛布を胸に抱くようにして身を起こす。



今日は隣にいつみがいない。

彼が隣にいるほうがめずらしいわけだし、いまさらさみしいなんてことも思わないけれど。



「んん……」



軽く伸びをして、時計を見やる。

レースのカーテン越しに小窓からは陽光が差し込んでいて、5月特有のあたたさかが気持ちいい。



時刻は7時過ぎ。

休みだからゆっくり寝かせてくれたんだろうなと思いながら、着替えて顔を洗うために洗面所に立ち寄る。




「あれ、」



めずらしくリビングには彼の姿がなくて。

どうやら部屋にいるらしい。



朝ごはんをつくる前にひとまず彼に会おうと部屋の扉をノックしかけた時、中からうっすら聞こえてきたのは話し声で。

電話しているらしいから、一度リビングにもどった。



夕帆先輩からの電話だろうか。

……いや、でも彼はおそらく電話より先に家に突撃訪問してくるだろうし。



お仕事の関係の人かなと思いながら、朝食の準備をしていたら。

電話を終えたらしいいつみが入ってきて、柔和に「おはよう」を言ってくれた。



「おはよう、いつみ。

さっき声掛けようとしたら電話してたから、勝手に朝ごはん和食にしちゃったけど良かった?」



「ああ。

別に和食でも洋食でもダメとは言わねえよ」



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