御曹司のとろ甘な独占愛
第五章 願いを叶えるための嘘
 六月に入り、暑さが日々増している。
 燦々と降り注ぐ太陽の光が、自然と室内にも入り込み、開け放たれた窓から爽やかな風が吹き込んだ。

 まるでガーデンテラスにいるような麗らかさの中、伯睿と一花はリビングのソファに並んで座っている。

 一花は中国語〈中級編〉のテキストをセンターテーブルに広げ、黙々と文法の勉強に勤しんでいる。
 そんな彼女を眺めながら、伯睿はスケッチブックに新しい翡翠のジュエリーのイメージを描いていた。

 彼女がすぐ側にいるこの空気感、手を繋いだ時の気恥ずかしさ、唇を寄せた時の胸の高鳴り、そして彼女へのあふれる愛情を、画面いっぱいに表現する。

 朝顔の花や蔦をモチーフにした指輪の枠組みを描き、彼女のために原石から磨き上げる宝石の形を繊細に整えながら、青碧のインペリアルジェイド、紺碧のロイヤルブルーサファイアをのせる。

 東洋の“美しきもの”を組み合わせた指輪は、永遠を誓う一途で誠実な想いを込めるに相応しい。

 伯睿は二つの宝石が彼女の細い指に絶妙なバランスで凛と咲く様子を想像しながら、プラチナのアームに輝くメレダイヤをちりばめた。
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