残り100日の私と大好きな君
「咲楽ちゃん、咲楽ちゃん!!」

重い瞼を開ける。

そこには何人もの看護師さんと主治医の先生。

「熱は?」

「42.3です!!」

「モニターと解熱剤持ってきました!!」

「感染症の検査は??」

「今用意してます!!」

なんだか、今日は周りが騒がしい……

それに、なんか体が重くて…ふわふわして…眠たい……

「咲楽ちゃん!!意識飛ばさないでー!!」

そんな声でさえも遠く聞こえる。

そんな時、ひとつだけハッキリ聞こえる声があった。

「咲楽ちゃん!!頑張れ…頑張れ!!死んじゃダメだよ!!!!」

という泣きそうな声。

いつものように、いつもの朝みたいに顔を横に向けると、涙を目にいっぱい貯めた奏汰くん。

「…………なた…く……」

"私なら大丈夫"そう言おうとした時、グッと意識が黒へと引きずり込まれた。

"私、ここで死ぬのかな……"

と本気で思った。
< 29 / 107 >

この作品をシェア

pagetop