『おはようございま~す』
『おはよう』


1日無断欠勤したお陰で
デスクの上に仕事が積み重ねられてあり

・・・あちゃ~残業確定
身から出たサビと諦めつつ

コツコツ仕事をこなすと
いつの間にやら
広いフロアに一人ぼっちだった


『20時かぁ』
卓上のデジタル時計が
意地悪したかのように進んでいる


普段なら警備の人が
2回位来ても良いのに・・・

誰もいないフロアをグルッと見渡すと

斜め後ろのベンチに
濱田トレーナーが座っていた

『きゃー』
小さな悲鳴に
足と腕を組んでコクン、コクンと筏を漕いでいたトレーナーが目を覚ました


『お、終わったかぁ??』

大きな口を開けてバンザイ
背伸びをする姿に笑ってしまった


『愛華さんを一人に出来ないから社長から後を頼むって・・』


警備員さんの見回りが無かったのは
トレーナーが居てくれたからかぁ

クスッと笑うと

『ナンだぁ??笑ったなぁ』

大きな欠伸をしながら
立ち上がると


『さぁ、送りますよ』


お腹も空いているはずなのに
仕事とはいえ笑顔を絶やさないトレーナー


『お待たせしたので・・今夜はご馳走しても良いですか?』

エレベーターに乗り込みながら見上げると

お腹に手を当てて
『そうだ!腹減ってる!でも、愛華さんにご馳走してもらうと後が怖いな』

クスッと笑う姿に
つられて笑ってしまった


『裏の屋台ですよ!屋台』


ハイハイ。では!と目を細めて笑った


守衛さんにフロアの鍵を返して
裏口から出ると

赤提灯の屋台が手招きしていた


『さぁ、お腹いっぱい食べるから覚悟して!』
先に暖簾をくぐり座ったトレーナー


『はい、いらっしゃい』
捻り鉢巻きの大将に迎えられ

自分はラーメン。トレーナーは+おでん。

食べながらアウトレットの雑貨屋さんの話をしていると

ふいに
『お二人さんはお似合いだねぇ』
笑顔を向ける大将

え??お似合い??
二人でショップ巡りをしたことも
外回りをしたこともあるけれど
そんなこと初めて言われた

違いますって口を開こうとした時

『そうだろ??』
自然に答えたトレーナー
驚いて顔を見ると
片目を瞑った

え???


わざわざ訂正しなくても
その場限りだからって意味だろうか?

悩む暇も無い位
そこからのトレーナーは
何時にも増して饒舌になり

なんでもないことのように
私も気にしなくなっていった

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