契約結婚なのに、凄腕ドクターに独占欲剥き出しで愛し抜かれました
「私、風間先生のことがずっと好きでした」

「悪いが俺は好きじゃない」

俺の返事はいつもこの定型文だった。

冷たい言い方ではあるけど、このくらい突き放すのがちょうどいい。

最低な男だと思われてもかまわない。

むしろ好都合だ。


もちろん、顔目当てで寄ってくる女性ばかりじゃないのはわかっていた。

だけど、そんな女性にも俺は心が動かなかった。

それだけ俺の心の闇が深かったということなんだろう。

『女嫌い』だろうが『ゲイ』だろうが勝手に言っていればいい。

彼女なんかいらない。

もう俺は、ずっと一人で生きていくんだと思っていた。



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