『遊園地に行こう』と決まっていた先週から、私はこの日を待ち詫びていた。

「悠さんっ早く早く!」

「遊園地は逃げないぞ」

先生に呆れられながらも車を走らせ、鼻歌を歌いながら外を眺めた。

ビルばかりの街並みから離れ、見えてくるのはおとぎ話のようにカラフルな建物やお城。

絶叫マシンの曲がりくねったコースも見える。

ここへは大学時代に友人の菜穂たちと来たとき以来で、久しぶりに見る光景に一気にテンションが上がっていく。

8時半、開園とほぼ同時にチケット売り場に並んだのに、もう園内は人で溢れかえっていた。

「…早めに来たつもりなんですけどねえ」

「ま、仕方ないだろ」

あからさまに落ち込む私に先生は、ん、と左手を伸ばした。

それをぎゅっと掴んだら、

「違う。このつなぎ方じゃない」

と、指を絡めて『恋人繋ぎ』にした。

なんだか嬉しくて、ふふっと笑って見上げる私に、先生はやさしく微笑んだ。