溺れて染まるは彼の色~御曹司とお見合い恋愛~

 それから、少しずつ纏っていたものが脱がされ、彼が抱きしめてくるたびに素肌が触れ合った。


「一誠さん……好き、です」

 彼が私を見つけるよりも先に、ひと目惚れの片想いをしていたことは、いつか話せたらいいと思う。


 今は、ただ彼にくべられる熱に浮かされてしまって……。


「俺に染まったお前は、最高に綺麗だ」


 生まれて初めて、私を愛してくれる人と出会った。
 私を振り向かせるために、最低最悪の御曹司を装っていた素敵な彼が、心から愛しくてたまらない。

 繋がって感じた初めての痛みを乗り越えたら、求めてしまう。


「生涯かけて、咲だけを大切にするよ」

 言葉で、甘い声で、優しい瞳で、穏やかな温もりで……。
 私を染める彼と歩むこれからの日々が、永遠に続きますように――。


            ― fin ―
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