「真央、いい加減にしなさい! お見合いを何だと思っているの! 毎度毎度……」

始まった。いくら親友だからといっても、私の方こそ、毎度毎度同じ台詞を聞かされたら耳にタコができる。

「ーーだから、真央、分かった? 一回でお断りは禁止。最低三回は会って決めるのよ! じゃなきゃ、結婚できないわよ、一生独身よ」

そんな脅迫めいたことを言われても、そう簡単に生涯の伴侶など決められない。

二十九歳、ここまで粘ったのだ、妥協などしたくない。理想は高く、どうせなら最高の旦那をゲットしたい……とはいうものの、公香に逆らえるはずなどない。

ここは取り敢えず、「私は結婚できないんじゃなくて、しないのよ」と、ちょっとおどけてみせると途端に飛んでくる空手チョップ。

何て乱暴な女だ、と頭頂部をヨシヨシする。

怒り心頭の親友を、遠い目で見ながら思い起こす。
光陰矢の如し。二十五歳から今日まで、通算二十八回。多いのか少ないのか分からないが、様々な殿方と出会ったなぁ……と。

過ぎた年月、伴侶探しがライフワークとなり、趣味は『見合いです』と言っても過言ではないが……公香が怒るのも無理ない。それでも納得できる理想的な男性は現れなかった。故に、未だ独身。

理想と言っても、それほど無茶な条件を並べ立ててはいない思う。ちょっと高学歴で、塩系のイケメンで、高収入で、優しくて、健康体なら、どんな男性でもいいと言っているだけだ。

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