「しかし、君、意外に持ってるね」

何を?

あれから一転して、私と葛城圭介は頻繁に会うようになった。「秘書がスケジュールに君とのデートを組み込んだ」ということだ。どうやら、お祖父様の指示らしい。

「君があれほど料理上手だとは思ってもいなかった」

ーーなら、何と思っていたのだ。

「今度はカレーが食べたい」

何気にリクエストしているのか?

手料理をご馳走したのは、例の宿泊した日だ。外食もままならず、仕方なしにだ。でも、鍋だ。あんなのは誰にでもできるだろう。材料を切るだけなのだから。

だから、そう言うと、「手料理は祖母のだけだ。気持ち悪い。僕は自分の店の物とプロが作った物しか口にしない」と葛城圭介は宣う。

「エッ? 気持ち悪いって、あの部屋とか、歴代の彼女さんの部屋とかで作ってもらったりしなかったんですか?」

驚き言うと、「あの部屋に女性が入ったのは君が初めてだし、女の部屋なんか恐ろしくて絶対に入らない」と言う。

おいおい、嘘だろう……って、恐ろしい? 何がと思っていると、昔、監禁されそうになったとか、それは恐ろしい。