「本当、お騒がせな二人ね。ドタバタじゃない」

公香の言葉に深く頷く。

「私もまさか、だったわよ」

「それにしても」と昨日出たばかりの週刊誌を公香が指で弾く。

「あの日は、ただフィアンセのお披露目だったんじゃないの」

「なのに」と公香の視線は見開きの二ページに移る。

そこには大きく『シンデレラ登場! 葛城家の新妻』という大見出しと『二月吉日、葛城家長男(36歳)圭介氏と一般事務職員(29歳)M嬢の結婚』の小見出し。

一般人ということで、私の顔写真も名前も載っていないが、二十九歳の女にシンデレラって……かなり痛恥ずかしい。

「確かに途中まで、そういう段取りになっていたはずなんだけど……」

騒ぎの収まった会場で葛城圭介は、二月中に結婚致します、と突然、宣言したのだ。

「もう、本人の私が一番ビックリしたわよ」
「でも、まぁ、良かったんじゃない。真央は少々強引にいかないとね」

何だと言うのだ!

「アレコレ考え過ぎて、結局、石橋を叩いて壊しちゃうタイプだから。それに、お見合い結婚ってこんなものよ。最初に土田さんが言っていたでしょう。ちょっとペースは早いけど」

目まぐるしいほどの展開だ。少々、息切れがする。

「とにかく『見合い屋』の功績になったから、社長も土田さんも大喜びよ。あっ、でも、この事は公表しないから」

当然だ。秘密厳守と契約書に書かれている。