残念なイケメン、今日も我が道をゆく
残念なくせにカッコイイ?!
今日も今日とて、我が道をゆく残念なイケメンが。


またもや目の前でやってます。


「うん、今日の俺も美しい!」


うん、容姿だけはな!
間違いなく整ってるよ!


「あ、江崎主任おはようございます。今日もお綺麗ですね」


にこやかな笑顔は美形も相まり破壊力は抜群だが、脱力させられている私には効かないのだ。


「ありがとう、でも貴方に言われると嫌味にしか聞こえないわ・・・」


なにせ、相手は誰が見てもイケメンという美形。
そんな相手に平凡女が褒められてもね・・・


乾いた笑いしか出ない。


私は更衣室から、彼は普通に出勤してきたところで出くわしたといった所か。


どうせ向かう先は同じという訳で、揃って営業部のドアを開く。


すると、そこには珍しく焦った課長の林田と、少し厳しさを浮かべる部長の九重さんが居た。


朝から二人揃って焦ったり厳しい表情をしているのは珍しい。


何かあったのだろうか?
不思議に思いつつも、自分のデスクに向かいパソコンの電源を入れる。


「江崎、すまんがちょっとこっち来てくれ。」


九重部長に呼ばれてパーテーションで仕切られた部内の打ち合わせスペースに行く。
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