目が覚めると、愛しい人の腕に包まれている。

それがこんなに幸せな事だと、初めて知った。

愛おしさが込み上げて来て、温かくて逞しい胸に頬を寄せると、低いけれど甘やかな声が耳に届いた。


「ラウラ、起きたのか?」

そっと顔を上げると、海の様な深い色味の瞳と視線が重なり合う。

「アレクセイ様、おはようございます」

「おはよう」

言葉と共に、抱き寄せられた。

「今日は、早いんだな」

「いいえ。いつもが遅過ぎるんですよ」

「ラウラは寝坊ばかりだからな」

からかうようなアレクセイ様の声に、私は頬を膨らませる。

「アレクセイ様のせいです」

「俺のせい? どうして?」

にやりと笑うアレクセイ様。答えなんて分かっているのにわざわざ聞いて来るところが、意地悪だ。

ふいとそっぽを向こうとすると、それより早く、アレクセイ様は私をシーツの上に組み敷いた。


「もしかして、こういう事をするから?」

アレクセイ様はそう言いながら顔を近づけキスをする。

「アレクセイ様! 朝からこんなこと……んんっ!」

抗議の言葉を飲み込むように、アレクセイ様のキスは深くなり、反対に私の抵抗はどんどん弱くなってしまう。

アレクセイ様とのキスはあまりにも気持ちよくて、私は直ぐに力を失ってしまうのだ。

執拗に唇を貪られてから、解放されたのだけれど、その頃には潤んだ瞳でアレクセイ様を睨むので精一杯。

「そんな怒るな、ラウラが可愛いのがいけないんだからな」

「そんな……」


理不尽すぎる!

アレクセイ様は私を宥めるように髪を撫でていたのだけれど、いつの間にかその手を滑らせ首元に、私がくすぐったさに身を竦めると、するすると手を下げ、胸元へと移動させる。

私は身体をビクリと震わせ、不安に苛まれながらアレクセイ様を見つめた。