クールな公爵様のゆゆしき恋情2
「ラウラ、俺は凄く嬉しい」

「え?」

嬉しい? 困っているんじゃなくて?

「ラウラが嫉妬して、更にそれを素直に口にしてくれる日が来るなんてな……」

「……アレクセイ様は、私が嫉妬すると嬉しいんですか? 面倒に感じるのではなくて?」

「面倒なわけないだろ? むしろ歓迎だ。ラウラに愛されていると実感が湧くからな」

「実感が湧くって……私はいつもアレクセイ様が好きだって言ってますよ」

好きだからこそ、少しのことでも不安になるし嫉妬してしまうのに。

「そうだな。けど、嫉妬されるのはまた違った嬉しさがある」

そんなものなのだろうか。

よく分からない。
私は素直に好きと言ってくれる方が嬉しいけれど。

でも、アレクセイ様は私の子供っぽいヤキモチに怒っている様子はないようでほっとした。

それにヘルミーネ様への気持ちも、特別なものは無いとはっきり言ってくれた。

「アレクセイ様、私もっと大きな心を持てるように頑張ります」

「ラウラは今のままでいいと言ってるだろ?」

アレクセイ様はそう言いながら、私を抱き寄せそのまま口付けて来る。

優しいキス。
愛おしさが込み上げる。

離れがたい思いが募り、自然と私からもキスをしていた。
アレクセイ様の胸に手を置き、唇を寄せていく。
そっと触れるキス。
一度したら止まらなくて、何度も何度も繰り返す。

「アレクセイ様……大好きです」

何度目かのキスのあと、唇が離れたときそう伝えると、それまで黙って私のキスを受けていたアレクセイ様に勢いよく押し倒された。

柔らかなベッドの上だから痛くはないけれど、強い力に身動きが取れない。

見上げると、覆いかぶさってきてくるアレクセイ様と視線が絡む。

その瞳には強い欲情が浮かんでいる。こうなったアレクセイ様は止まらないことを私は身を持って知っている。

「俺にはラウラだけだ。昔も今もこれからも。欲しいと思うのはラウラだけだ」

組み敷かれ、強い視線で見つめられる。
これから起きること予想して私は思わず身震いした。

「アレクセイ様……んっ!」

荒々しく唇を奪われて、私はビクリと身体を強張らせる。

だけど、アレクセイ様の舌が私の唇を強引に割って入り込み、キスが深くなるにつれ、身体は熱を帯び、頭の中には霞みがかかる。
力が抜けてしまう。

気付けば夜着は取り払われ、身体中に触れるアレクセイ様の手と唇によって身体が熱く溶けていく。

「あっ……アレクセイ様……」
「ラウラ……愛している」

私もと、答える間もなく、アレクセイ様が私の中に入って来た。

「……ああっ!」

初めての時は痛くて不安だったこの行為も、今は自分を見失う程の快感に襲われる。

それから先は、もう何も考えることは出来なくて、ただひたすら翻弄され、言葉にならない声を上げ続けるだけだった。
< 26 / 133 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop