ハルトマン院長は不満そうにしながらも、表向き私の命令に従った。

翌日、子供達は午前中と、午後の組に分かれて鉱山へ行き仕事をしたそうで、無理がない労働時間だったとハルトマン院長から報告を受けた。

実際、子供達の様子を目にしたけれど、院長が嘘を言っているようには見えなかった。

但し、私が訪問を止めたら元の状況に戻ってしまう恐れが有ったので、煙たがられているのを知りながらも、私はリンブルグ孤児院に通うのを止めなかった。

私の監視があるからか、子供達の労働時間が元に戻ることはなく、蓄積された疲労が取れてきているのか、子供達の表情に笑顔が出始めた。


その様子を見てほっとしていたそんな時のこと。

今日も孤児院に向かおうと支度をしていた私の元に、ヘルミーネ様が訪れた。

ヘルミーネ様がわざわざ私の元を訪れるのは珍しい。

同じ屋敷で生活していても、彼女が用があるのはいつもアレクセイ様。
特に側室発言の後は私の態度がぎこちなくなったのも有るせいか、彼女は私のことを無礼にはならない程度に無視していた。

今更私に何の用だというのだろう。

「ヘルミーネ様、どうなさったのですか?」

「ラウラ様に話が御座います。少し時間を頂いてもよろしいでしょうか?」

ヘルミーネ様の口調は丁寧だけれど、その表情、態度から居丈高な空気を感じた。

私が時間を取るのが当たり前と思っているようなその態度。

言いたいころは有るけれど、まずは彼女の話を聞く事にした。