和泉くんの考えてることはわからない。
◎* Chapter 4
◇ 和泉くんはズルい
* 栞里 side **
……こういう場合、どうすればいいんだろう。
「おはよう "ございます" 。和泉センパイ」
「へぇ、ちゃんと挨拶できるんだ?」
「…相変わらずの嫌味っすね」
ここ最近の和泉くんと慎くんの仲が、今まで以上に酷い気がする。
和泉くんも不機嫌だし、慎くんだって和泉くんに会った時はまるで別人かのように黒いオーラを放つから。
今のこの状況を避けるために私がどれだけ朝の登校に気を使っているか、きっと2人は知りもしないんだろう。