20代最後の夜は、あなたと
「そろそろ帰るか、明日もあるしな」


「いろいろ愚痴聞いてくれて、ありがとね」


「そんなの、気にすんな。


たまる前に言えよ」


ワリカンでいいよって言ったのに、誘ったのは俺だから、って受け取らなかった。


「じゃあ、今度は私がおごるから」


「店探しとけよ」


「うん、今日は楽しかった、また明日ね」


「じゃあな」


家が反対方向の私たちは、駅の改札で別れた。


久々に外で飲んで、楽しかったな。


伊勢くん意外と、頼りになるな。


そんなことを考えながら、家路についた。


真っ暗なアパートの部屋の電気をつけると、さみしい一人暮らしの狭い部屋があらわれた。


4月で29歳になったから、20代最後の一年だな。


彼氏なんて望まないから、どうか穏やかに過ごせますように。


神様がいるかわからないけど、星がほとんど見えない空に祈った。


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