Valentine's Years
長い間…
いつも“彼”の周りは騒がしい。バレンタインともなるとそれは一層…
しかし渦中の人はまるで自分とは関わりないかのようにクールだ。
三年前「甘い物は苦手なんだ。気持ちだけ貰っておくよ」…柔和な対応。
二年前「企業の戦略に乗せられるのは性に合わなくてね」…寄せ付けないオーラ。
そして去年「会社は仕事する場所だ。いつまでも学生気分は困る」…けんもほろろ。
課長、今年はどんな対応するつもりですか?
こんな氷対応ても女性達は諦めない。私もその一人。
ただのイケメンではなく仕事もでき部下への労いも忘れない。仕草もスマート。
そりゃ周りの男達がジャガイモにしか見えなくても仕方ない。
才覚ある彼は、信頼、崇拝、羨望、尊敬と『サ行』の感情を一心に受けているのだ。
そのジャガイモ達さえ敵に回す事なく俗に言う『サ行の褒め言葉』も毎日のように投げ掛けられている。
< 1 / 3 >

この作品をシェア

pagetop