ポツ。


山菜取りに没頭していると、不意に頬に何か冷たいものが落ちた。

え? と思って屈んでいた腰を持ち上げて顔を上げると、再びポツポツと雫が顔に当たった。


「雨かぁ。まぁ、丁度キリがいいかな」


バキバキいなった体をグイーンと伸ばしながら、大きく息を吐く。

あれから再び没頭してしまい、気が付けば夕暮れ近くになっていた。

それでも、満杯になった籠を見ればホクホクした気持ちが湧き起こって頬が上がる。


沢山揚げて、少したまちゃんの家にもお裾分けしよう。

いつもパンだったり、おかずを貰ってるもんね。

そう思って籠を持とうとした、その時――。


ゴロゴロゴロッ!!


突然物凄い轟音と共に、雷が鳴り響いた。

悲鳴を上げながら耳を塞いで縮こまると、それと同時にバケツをひっくり返したような雨が突然降り出した。

そして瞬く間に辺りは暗くなって、着ていた服は一気にずぶ濡れになった。