守りたい人【完】(番外編完)

小さな灯り

「ええやん、ええやん、ええやん!」


真っ青な空に、鍛冶君の歓喜の声が響く。

同じようにして新しくできたソレを見て、私も歓喜の声を上げた。


「朝比奈さん、凄いです! 職人さんみたい!」

「ほんま、器用やわぁ」


大絶賛の声を上げる私達を見て、朝比奈さんは僅かに表情を和らげた。

その姿を見て、更に嬉しさが増す。


あのリフォーム会議から数週間が過ぎて、何度も重ねた会議の末、『新・姫野荘』の概要が見えてきた。

あの後、すぐに両親に電話をして確認すると、なんでも好きにしていいわよ。とアッサリと返事も貰えた。

そして、金額の面でも、ある程度は出せるから気にするなというお墨付きまで貰えた。


それからは家事が出来ない代わりに、没頭するようにリフォームのデッサンを書いた。

そして、それをパソコンに鍛冶君が取り入れてくれて、朝比奈さんが形にしてくれている。

そして、その第一弾が、壁一面につけられた、この本棚。


「よく、資材が集まりましたね~!」

「近所の木材を取り扱ってる人に頼んだら、廃材を分けてもらえた」

「廃材から、ここまでのクオリティ生み出すの、ほんま天才やで」


その言葉に何度もコクコクと頷く。

だって、私がデッサンした通りのものだったから。

いや、それ以上に素敵だったから。
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