暴走族の姫 Ⅰ
過呼吸
恐い。罵られるのも。また、殴られるのも。怖い。




「ハァ…ハァ…ッハァ、ヒュッ、ぅ
ハァ…ッいきッ…ハァ…でき、な…ヒュッ」




怖いなんて、今更な気持ちなのに。




「ッ過呼吸かっ落ち着け。ゆっくり息吐け。大丈夫だから…。」



いき、は、吐くの?こんなに苦しいのに?



でも、あの目がそうさせる。



それに彼が大丈夫と何度も繰り返して言うので、息をゆっくり吐いていく。



「ヒュゥッハッ…ハァーハッ…ハ…ハァー…」



すると、私の呼吸は30分ほどで通常の息に戻った。
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