それから一か月。

私達は休みを利用して、数々の結婚式場や教会を見て回った。

いろいろなプランを提示してもらっては、個々の魅力に心がぐらぐらと揺らぐ。

たくさん下見をすればするほど、それぞれの良いところを摘まみ食いしたくなってしまうのだから、式場選びというのは大変なことだ。

「私って欲深いんですかね……」

テーブルに広げた沢山の式場のパンフレットを何度も何度も見返しながら、私はぽそりと呟いた。

「急にどうした?」

私が背をあずけているソファーに座っていた凱莉さんが、私の体を足の間に入れて包み込むように抱きしめる。

「どれもこれも良いところがあるんですけど、いらないところもあるんですよねぇ。良いところだけ取って組み合わせたい……」

コテンと凱莉さんの胸に頭を預けて大きな溜め息をついた。

人生一度の結婚式。

満足するものにしたい。

後悔や妥協はしたくない。

そう思ってしまうのは、女に生まれたのだから仕方がないことだろう。

「俺は欲深いとは思わないけどな。千尋の思う通りにしてほしい」

「凱莉さんは何かないんですか?」

「俺は千尋の花嫁姿を隣で見れればそれでいい」

「……ずるいなぁ」

凱莉さんはいつもそう。

私が喜ぶ姿を見れるだけで満足だと言ってくれる。

それが自分の幸せなのだ、と。

「ドレス選びは一緒にしたいけどな」

「え?」

「結婚式では一番綺麗な千尋の姿を人に見せるわけだろ?それには俺も関わりたい」

私を一番綺麗にしてくれるのは凱莉さんだけ。

それをちゃんとわかってくれてるんだ。