どうして、田丸さんを相手に選んでしまったのか?

なんて、理由は簡単だ。

私を誘ってくれる相手が、田丸さんしかいなかったからだ。

田丸さんだって、大学の後輩だった私に一緒に昔話でもしようと軽い気持ちで誘ってくれているだけだと知っていた。

知っていたから、簡単に誘いにのれた。


自分に女としての魅力がないのは分かっている。

仕事は丁寧にしているつもりだから、上司や同僚には頼られていたと思う。

けれど、女性としての魅力については、同期の遥(はるか)にも、キッパリと言われた事がある。


「萌奈はもう少しメイクを濃くしてもいいんじゃない?他が派手だから、地味さが逆に目立つのよ」


「地味、かな」


「地味でしょ?とても25には見えない。2つは上に見える」


気兼ねなく物を言ってくれる存在は、とても貴重だ。


彼女の言葉を聞いてメイクを少し濃くしてみたけれど、結局醸し出す雰囲気は地味オーラが全開なのだ。


そんな私が、どうして桐谷と付き合うことになったのか?


桐谷と付き合うことになったのは、彼が放った言葉が、私に僅かながら自信を与えてくれたからだ。

この作品のキーワード
オフィスラブ  浮気  一途  ドキドキ