朝、寝起きでぼんやりしたまま何気なくテレビをつけたら、『大河製薬』という言葉がアナウンサーの口から出てきて、思わずテレビにパッと目を向けた。

中継に出ているアナウンサーの後ろには、見慣れた会社の建物がある。


『栄養ゼリーに糸の一部が混入』


そんなテロップがでかでかと表示されている。

「何これ…どういうこと?」

独り言に答えてくれる声もない。


ピンポーン…


インターホンが鳴って、鍵を開けた先にいたのは思った通り瀬名だった。

「おい、あのニュースどういうことだよ」

そう言いながらズカズカと紗耶の部屋に入り、食い入るようにテレビを見つめる。

別のニュースに変わった後、瀬名ははあっとため息を吐いた。

よく見たらまだ寝巻姿だ。

「…婚約者とは当分話はできないかもしれないな」

かもしれない、じゃない。できないのだ。

テレビのニュースになるくらいの事態だ。きっとナオは今対応に追われている。



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