私の失恋の行き着く先は…No.6
ベルが鳴る


◆ベルが鳴る





クリスマスイブの金曜日。

花の金曜日、ましてや今日はクリスマスイブということもあって、社内が華やいでいるように見える。

新婚ほやほやの課長は朝から顔が緩みっぱなし。

貴子先輩は家族とクリスマス料理やケーキを堪能するらしい。

約3ヶ月前に失恋した私は、ひとりのクリスマスを過ごすはずだったけれど、緑川主任と高級ホテルでクリスマスディナーを食べるというまさかの予定。

「それにしても緑川くん、社内の女子たちからの誘いが凄かったわね」

「そうですね。毎年凄いんですか?」

「そうね。緑川くん、バレンタインは受け取らないから、この時期はみんな必死なのよ」

貴子先輩は少し遠くにいる緑川主任をチラッと見て肩を震わせて笑っている。



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