昨夜はなかなか寝つけなかった。

 いよいよ高橋さんの挙式だと思うと、まるで自分の結婚式の前夜みたいに緊張してしまう。

 それから智也さんが深夜になるまで帰ってこなかったからというのも理由だ。

 いつも通り帰ってきてシャワーを浴びて、寝室にやってきた。
 彼がベッドに入るとき、ゆっくりとなるべく揺らさないようにと配慮してくれているのが伝わってきた。

 今の時間まで山口さんと一緒にいたの?

 こんな時間まで何をしていたの?

 そんなことを聞けずに、意気地なしの私は何も見なかったフリをするんだ。

 形だけの妻なのに、嫉妬しているなんて知られたら、きっと面倒くさいと思われてしまう。
 
 ここは穏便に済ませるため、辛くて苦しいけど仕方ないと我慢する。
 自分の心に一生懸命蓋をした。