独占欲強めな社長と政略結婚したら、トキメキ多めで困ってます

「詩織には内緒にしていたけれど、PWの社長って超イケメンでしょ~っ。背は高いし、顔もいいし、アレで頭もいいんだから、非の打ちどころがないよね」
「確かに男前だわな」

 ミーハーでオネェな直樹はともかくとして、晴樹がそんなふうに男性を褒めるなんて珍しい。
 晴樹が言うのだから、一般的に見ても男前のジャンルに入るのだろう。

「食事してみてどうだったの?」
「……うん、食べ方綺麗だった」
「いやいや、そんな感想じゃなくて」

 話をしてみて楽しかったとか、好印象だったとか、そういうことはないのか? と直樹に聞かれて「ううん……」と首をかしげた。

「緊張しすぎて覚えてないの」

 あんなふうに男性と二人きりで食事をするのは初めて。
 でも男兄弟の中で育ったし、それなりに免疫はあるはずなのだ。
 しかし直前で頬にキスなどされたものだから調子が狂ってしまう。
 強烈な緊張と男性としての意識をしてしまって、食事どころではなくなってしまった。


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