外ではクールな弁護士も家では新妻といちゃいちゃしたい
愛し愛され世界一の幸せ夫婦
こうして……。
私たちは、新婚一ヵ月目にして、突然別居することになってしまった。
事情が事情とはいえ、嫁の私は、いきなり旦那様の実家に居候という事態で、かなりドキドキ、緊張、緊張……。
でも、私の実家よりオフィスに近いし、お茶のお稽古をしてもらえるというメリットは大きい。
それに……一番の緊張の種である家事は、お手伝いさん任せになっているそうで、お義母さんにも『気遣い不要よ』と言ってもらえたから、だいぶ気が軽くなった。


ご厄介になると決まってから、最初の数日はさすがに気疲れもしたけれど、周防家のみんなはとてもよくしてくれる。
一週間が経った頃には、私にも、束の間の居候ライフを楽しむ余裕が生まれてきた。


私が奏介の実家に身を寄せる原因となった『ストーカー被害』の件も、なつみが言っていた通り、ちょっとした騒動になったせいか、その後訪ねてきたという話を聞かない。
それでも、オフィスで仕事中も休憩中も、私が一人になることがないようにみんなが協力してくれてるし、周防家のご厚意で、通勤・帰宅時は車で送迎していただいている。


周防家の居候になって二週間。
私は二重三重に守られ、周囲も含めてとにかく平和だ。
『裁判から手を引け』と脅迫を受けた奏介の方が、ずっとずっと心配だった。
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