ヴァンパイアの花嫁
しばらくしてからエミリオが待つ居間へ行った。


「ずいぶんとすっきりした顔になっているね?城の時とは大違いだ」


まだ髪が乾ききっていないレオンを見てエミリオが言う。


自分はといえば夜会服のまま。


真紅のローブ姿でくつろぐレオンは、夜会の時のような雰囲気はなかった。


父王と話した後、何も言わずに人間界へ戻ってしまったのでエミリオは心配したのだ。


「お前は疲れた顔をしているな?」


「あぁ、アシーネが放してくれないんだ。レオン、黙って帰るなんて心配するだろう?」


「私のことより自分の心配をすれば良い」


エミリオの心配もよそにレオンがフッと思い出したように笑った。




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