シェヘラザード、静かにお休み

見つける、ではなく、捕らえることになった。
次は届ける、から、運ぶになるのだろうか。

善事からどんどん悪事の方へと近づいていく。

「兎に角、話をしましょう。こちらの素性も明かさずに要求だけ呑むことは貴方にも出来ないはずだ」

ルイスが顔を上げて話す。

「私はルイス・ローウェルです。遠縁に貴方の捜索を頼まれて、ここまでやって来ました」

うつ伏せになっていたイーサンの腕を掴み、立ち上がらせる。

「ローウェル……ローウェル家の?」

「はい。貴方は国民たちと運動をしていたんですよね、きちんとそれを明るみにし、城に戻りたいとは思いませんか?」


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