電話を切ってから15分ほど経った頃、三島課長と伊藤くんがジャージ姿でやって来た。

ジャージ姿は普段見たことがないのでかなり意外だった。

会社帰りや休日に同じ社会人サークルでバレーボールをしていて、その帰りだったらしい。

車中では同じくバレーボール仲間の瀧内くんが待機しているそうだ。

三島課長だけでなく、まさか伊藤くんと瀧内くんまで一緒に来るとは思わなかったけど、葉月が眠ってしまって歩けない状態になった今は、正直言うと男手はとてもありがたい。

「葉月、起きて。帰ろうか」

トントンと軽く肩を叩きながら声をかけても、葉月は「うーん」と小さく唸るだけで、目を開かない。

そう簡単に起きてはくれなさそうだ。

「起きなさそうですね」

「担いで行く方が早いな」

私と三島課長が相談していると、後ろに立っていた伊藤くんが私の肩を軽く叩いた。

「佐野、ちょっとごめん」

伊藤くんは私の前に出て、突然葉月の顔を両手で思い切りはさんだ。